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防水・断熱編!

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防水・断熱編 快適な住み心地は防水と断熱で決まる!

防水チェック

雨漏りのしない屋根は形状と防水処理が大きな決め手に!

本来、「風雨をしのぐ」というのは、住宅が備えておくべき最低の条件。品確法において、新築住宅の雨漏りに対して10年間は業者責任で補修しなければならないとしているのも、この最低限の条件を保証させるためのものと言えます。防水チェックのはじめに、まずは屋根防水から見ていきます。

ルーフィングは適切に施工されているか?

屋根施工の手順では、屋根の合板を貼った後に「ルーフィング」という防水シートを屋根下全体にかぶせますが、屋根瓦などのすき間から浸透してきた雨水などを防ぐ役割があります。ルーフィングは張り方に注意が必要。重ね代を見るポイントは次の3つです。
1. 防水紙の上下は100mm以上重ねる
2. 防水紙の左右は200mm以上重ねる
3. 棟の部分は100mm以上重ねる。一枚重ねるのがベスト。

「谷」がない屋根の形状は雨漏りに強い

次のチェックポイントは屋根の形状がどうなっているか。屋根の形状にはいくつかのタイプがありますが、一番雨漏りしにくいのは「切妻」と呼ばれるもっともシンプルな形状です。
どんなタイプであれ、気をつけたいのは屋根と屋根のつながる部分にできる「谷」をどう処理しているか。雨水が集中して集まるこの部分はできるだけ生じないようにしたいのですが、意匠上どうしても避けられない場合は、必ず「樋(とい)」を設置します。さらに、谷の両側1m程度ずつにルーフィングを増し貼りするとベターです。

トップライトの防水処理に注意!

特に気をつけたいのが、トップライトと呼ばれる、屋根からの採光をとる窓まわりの防水処理。ここには合板の立ち上がりがあり、ルーフィングとトップライトの取り合い部分の防水処理が重要になってきます。

外壁と屋根・バルコニーの取り合い部分、貫通部分に防水強化処理があるか?

屋根と同様に、外壁にも防水処理が必要です。外壁からの雨漏りが発生する可能性が考えられる部分に、外壁と屋根、外壁とベランダなど、外壁とどこかほかの部分が接合する箇所があげられます。こういった取り合い箇所には、単に防水紙(シート)を貼るだけではない処理が必要です。

外壁と屋根・バルコニーの取り合い部分には工夫が必要!

外壁と屋根の取り合い部分は、軒があっても、軒天より上に防水紙を立ち上げます。バルコニーの手すりと外壁部分は、防水紙だけでなく防水テープも使用し、しっかりと対策を行います。バルコニーの手すり部は、上部に注意。上部にタッカー留めしているとそのから雨水が入ってしまいますので要注意です。

外壁の開口部や貫通部は防水テープ+コーキングでしっかりふさぐ!

外壁には、配管を通すための貫通部や窓などの開口部など、開いている部分がいくつもあるので、「ふさぐ」処理が必要です。具体的には、窓には防水テープを貼って処理します。配管等の貫通部については防水テープかシーリング材を充填する処理で対策をとる必要があります。出隅部分は増し張り(重ね)による補強対策、入隅部分は処理を確実に行っているかも重要なチェックポイントになります。

外壁の工法が湿式か乾式かで防水処理は異なる

外壁の防水処理は、外壁の工法によって異なる部分があります。湿式か乾式か確認したうえでチェックを行ってください。

日本の伝統工法「湿式工法」ではひび割れ対策が重要に

1. 防水紙の縦方向の継ぎ目90mm以上、横方向の継ぎ目は90(150)mm以上重なっているか
2. 換気工などの貫通部の周囲は防水テープでふさぐ

「乾式工法」では、壁の中に空気の流れをつくることがポイント

1. サッシ周辺の胴縁が切れているか確認

サッシまわりは防水手順が決め手。入念にチェック!

サッシまわりの防水には、防水テープを主に使用しますが、ポイントは施工の手順。

施工の手順に抜けや間違いはないか?

施工手順は、合板にサッシを取り付ける→両面防水テープを貼る→防水紙を貼る。さらに、防水紙上からも防水テープがあればなおよい。
サッシ下の防水シート施工にも注目。手順は、サッシ下に防水シートを貼る→サッシ取り付け→防水シートを下から上へ差し込む。

バルコニーの防水処理は適切か?

雨漏りしないバルコニー施工は、壁との取り合い部分の仕上げと排水処理で決まると言えます。
防水はFRP(繊維強化プラスティック)をコーティングして行うのが一般的。これは一度の処理で終わるものではなく、仕上げとしてトップコート(保護層)まで施工してあって終了となります。

立ち上がり部分は十分にコーティングされているか?

チェックポイントは立ち上がり部分。上部までコーティングされているか確認しましょう。
外壁とサッシの取り合い部分では、サッシ横の外壁、いわゆる「そで壁」が極端に少ない場合、施工が面倒なため防水の不備が発生しやすくなりますので、平面プランの段階から気をつけておきましょう。

排水路は2方向排水か、オーバーフロー管の設置があるか

ベランダにたまった水を流すには排水路が必要ですが、この排水路が1方向しかない場合、落ち葉などで詰まると溢れてしまう可能性があります。排水効率をよくするためには、2方向排水路を設けるのがよいわけです。どうしても1方向にしか設置できない場合は、必ず、溜まった水を流すためのオーバーフロー管を設置します。

断熱チェック

防湿シートと石膏ボードはしっかり密着しているか?エアーポケットがないか?

屋根や壁面の断熱は、断熱材をすき間なく充填することが大前提です。断熱というのは、家全体がすっぽりとパリアーで覆われているような状態で最大限の機能を発揮するのです。

結露は温度差による物理的現象で発生する

一般的に使われている断熱材は、防湿シートでできた平筒状の包装のなかにグラスウールやロックウールなどの断熱材が入っています。グラスウールは湿気が入り込むと結露しやすく、断熱性が低下してしまいます。
壁面の断熱施工では、防湿シートを見付け面にタッカーで留めて、その上に石膏ボードを貼って仕上げるのが正しい施工例。しっかり密着していないと防湿シートと石膏ボードの間に空間、いわゆるエアーポケットでできてしまいます。
エアーポケットがあると、冬場など室内と外気の温度差が大きいときに床下や屋根裏から外気が入り、物理的に壁内結露が発生してしまいます。

1階床下からの外気をシャットアウト!断熱充填が正しく施工されているか?

内断熱の場合、一般的に、屋根裏(小屋根)に接する天井や1階床下に断熱を行います。

在来工法の根太組床には特に注意!根太組床の場合、床下の外気が外壁内部にまで上がってくる可能性があります。根太と間仕切りの間に断熱材を充填してすき間を埋め、なおかつ防湿層による遮断を確実に行い、全体の断熱層がそこで途切れないようにする必要があります。
なお、2×4工法の場合は、床下とは合板でほぼ完全に遮断されるので、この心配はありません。

天井の断熱施工のチェックポイントは?

屋根と外壁では断熱工法が違うことがあるが、ポイントは1つ!

屋根は、屋根下地、桁、垂木など部材が多く、取り合いが複雑になる部分ですので、断熱施工状況も複雑になりがちです。
しかし、見るべきポイントは1つ。屋根と外壁の断熱材同士、もしくは断熱材が接する木材(柱や梁など、そのほかの木部)と断熱材が密着しているかという点です。

天井と外壁の断熱施工はココをチェック!

最上階の場合、天井面と外壁の断熱材がしっかりと接触していれば問題ありませんが、天井面の断熱材より壁の断熱材のほうが高く上がっている状態がベターです。
注意したいのが中間階。天井面より上に外気が接する外壁がある場合、梁(胴差し)下部に断熱材の施工がなければ、その部分は断熱欠損に該当します。この場合、断熱材を胴差し下まで施工し、なおかつ防湿シートの頂部もタッカーで留める必要があります。

断熱欠損は結露の原因に!細かい部分にも注意が必要

雨漏りの原因にもなるエアコン冷媒貫通部の施工に要注意

内装工事完了後にエアコンを取り付ける場合などは、断熱層や防水層を貫通して冷媒管を通します。本来ならば断熱層(防水層も)を切断することはNG。事前に断熱工事の段階でエアコンの冷媒管を通す配管(スリーブ)の施工を行うように依頼しましょう。そのうえで、スリーブまわりの断熱欠損や防湿バリアーが破れないような対策が必要です。

コンセントボックスにも目を向けよう

細かい部分なので見落としがちなコンセントボックスも、そこで断熱層・防湿層が途切れないように、エアコン用スリーブまわり同様、気密テープを貼って防湿層の保護をしているかチェックしましょう。

サッシの周囲にすき間がないかチェック!

すき間ができやすいサッシの周囲にも注意が必要。柱(間柱)とサッシ取り付け用の木枠との間や、サッシの室内側枠(アングルピース)を留める取付枠(額縁)まわりにもすき間ができる場合があります。適切な施工を行いましょう。

筋交いとの取り合い部分は要注意!

筋交いを避けようとしてその裏側に断熱材を差し込むだけで済ませてしまうケースもよく見られますが、これでは石膏ボードを貼ったときに大きなエアーポケットができてしまいます。筋交いとの取り合い部分で断熱材に切れ目を入れて、室内側に密着させるため引き出す必要があります。

工法別に見る断熱チェックポイント!

【2×4工法】

構造上の特徴からもともと1階床下との気密性が高い「2×4工法」では、天井や屋根裏断熱と壁断熱の取り合い部分のチェックが必要!

【軽量鉄骨工法】

対策として、工事監理者もしくは現場管理者に、石膏ボードを貼る前に、気密層に破損がないか確認したという報告書を提出してもらいましょう。

【重量鉄骨工法】

発砲ウレタンを直接吹き付ける工法の場合は、吹き付けた厚みが重要。しっかりと確認しましょう。

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